我が友よ、こんにちは
アメリカからイギリス南海岸沿いの新居に帰ってきたところだ。家の中はまだ段ボール箱だらけで、座る場所を見つけるのも大変なぐらい。それでもここはいい所で、娘のグレースも新しい学校が気にいっているようだ。ご存知のように僕は今年の大半をフロリダのオーランドでディープ・パープルの新アルバムのために作曲したり録音して過ごした。タイトルは "Purpendicular" に決まり、僕達も誇りに思える内容だ。来年の始めにBMGからリリースされ、その後はもちろんワールドツアーが待っている。
一年ぐらい前にポルトガルに行った際、歌いながら海岸を散歩している時にふと気付いたんだが、僕はそれまでにお風呂やシャワーや寝床で(もしくは海岸を散歩しながら)歌えるような曲をほとんど書いていなかった。そこで今度は典型的な編成のロックバンド(ギター、キーボード、ドラム、ベース)用じゃない曲を書いてやろうと思い、ギターをひっぱり出してきたんだ。その結果がソロアルバム(ほとんど完成している)で、来年いつか発表するつもりでいる。詳しいことが決まったら、また皆さんにもお知らせしよう。
どんなアーティストでも、ステージからちょっと降りて、私的なことや創造的なことに時間を費やしたい時期があるものだ。僕が最近してきたこともそれだ。ディープ・パープルは困難かつ重要な転換期を乗り越えたが、その間僕達みんながそれぞれの全魂とエネルギーをバンドの再誕のために捧げてきた。作曲やレコーディングの合間にも、時間を見つけては家族と一緒の時間を楽しんだ。何しろ96年はツアーで世界中あちこちをまわらなくてはならないし、そんな時間もあまりとれないだろうから。
最近の僕はあまり活動的じゃなく、公の場で話すようなこともしていないような印象を与えるかもしれないが、それもそろそろおしまい。皆さんにもうじき会えるのを楽しみにしている。それまではどうかよいお年を、来年も皆さんにとって幸運な年でありますように、皆さんの夢がすべてかないますように。
それじゃあ今日はこの辺で。
イアン・ギラン